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ITパスポート試験の概要と取得するメリットを解説

レンテックインサイト編集部

ITパスポート試験の概要と取得するメリットを解説

ITパスポート試験は、ITを活用するすべての社会人を対象とした国家試験であり、ITの基礎知識が問われます。本記事では、試験の概要や取得するメリット、試験の難易度と対策について説明します。

ITパスポート試験とは

ITパスポート試験は、社会人や学生にとって必要なIT基礎知識を証明する国家試験です。コンピューターの基礎知識やソフトウエア開発のプロジェクトマネジメント、ITに関連する経営戦略などについて出題されます。AIやビッグデータなどの比較的新しい技術に関する出題もあります。

試験の概要

ITパスポート試験はIPA(情報処理推進機構)が主催する情報処理技術者試験の1区分です。今の時代、ITに関する知識はあらゆる業種や職種において不可欠であり、企業もITの知識のある人材を求めています。「パスポート」という試験名には、現代社会で活躍する基礎能力を有することを国家が認定する、という意味があります。

ITパスポート試験では、ITの技術や開発手法、経営戦略やマーケティングなどの経営知識、プロジェクトマネジメントなど、幅広い分野の総合的知識が問われます。企業や教育機関でITパスポート試験は広く活用されており、人材育成や採用活動などでも支持されています。そのためITパスポート試験向けの対策講座を開設する学校も増えています。

試験内容

情報処理技術者試験には四つのレベルがありますが、このうちITパスポート試験は最も基礎的なレベル1に相当し、ITに携わる者に必要な最低限の基礎知識が問われます。試験時間は120分、四つの選択肢から一つの回答を選ぶ形式の問題が100問出題され、全体で60%の点数を取れば合格です。

出題内容は、法務や経営戦略、システム戦略などのストラテジ系、開発技術やプロジェクトマネジメントなどのマネジメント系、コンピューターシステムやネットワーク、セキュリティなどのテクノロジ系の三つがあります。従来の技術だけでなく、AI、ビッグデータ、IoTなどの新しい技術、アジャイルのような新しい開発手法に関する問題も出題されます。

取得するメリットと注意点

現代のIT社会では仕事をする上でITの知識が必要不可欠であり、技術者だけでなく営業職や事務職でもITリテラシーが求められます。
AI、ビッグデータ、IoTなどデータ利活用に関連する新技術が日々生まれており、各技術は社会へ大きな変革をもたらすと予想されていることから、第4次産業革命とも呼ばれています。

このようにITの知識を持つことの重要性がますます高まっており、ITパスポート試験の資格を取得すれば、ITに関する幅広い基礎知識が得られます。試験を通して学べるのはIT技術者向けの知識だけではありません。経営戦略や法務、情報セキュリティなどITを活用するための前提となる知識も出題範囲であるため、ITを活用した業務効率化やビジネス拡大にも役立つでしょう。さらに企業としての視点で見ると、社員全般のITリテラシーが向上することで、組織全体のIT力向上やコンプライアンス強化が期待できます。

注意点として、ITパスポート試験はあくまでも基礎的な知識を問うものであるため、IT技術者のスキルの証明としては不十分です。ITパスポート試験に合格したあとは、情報処理技術者試験のうち、さらに高レベルな試験に挑戦するとよいでしょう。

ITパスポート試験の概要と取得するメリットを解説 挿絵

ITパスポート試験の難易度と対策

ITパスポート試験は情報処理技術者試験のうち最も基礎的なレベル1に相当するため、難易度は低めです。ただし、幅広い出題範囲の内容を効率的に勉強する必要があります。

試験の難易度・合格率

試験の主催団体であるIPAが公開している令和3年度版の統計情報によると、合格率は50~60%です。受験者のうち46%は20代であり、全体のうち学生が28%を占めるなど、ほかの情報処理技術者試験と比べて比較的若い受験者が多い傾向です。社会人のうち非IT系企業の社員の割合が78%を占めるなど、ITの技術者でない受験者も多くいます。

試験の対策

IPAがウェブサイト上で過去問を公開しているため、何度も解いて出題の傾向を把握するのが効率的な対策となるでしょう。IT技術にあまり触れたことがなく、これから知識を身に付けたい人は参考書を購入するのも良いですが、実際に問題を解いてインプットとアウトプットをバランスよく行うことが大切です。IPAの公式ではないものの、試験問題をクイズ形式で解けるウェブサイトもあるので活用してみましょう。

ITパスポート試験は、試験会場のコンピューターを利用して実施するCBT(Computer Based Testing)方式の試験です。試験はすべての都道府県で毎月実施しているため、自分の好きなタイミングで気軽に受験できます。受験のハードルは高くないため、たとえ不合格になったとしても、諦めずに何度も挑戦するとよいでしょう。

試験を通してITリテラシーを身に付けよう

ITパスポート試験は、ITの初心者が基礎知識を学ぶきっかけとしておすすめできる国家試験です。現代の社会ではどのような職種でもITの知識は必要不可欠であり、ITリテラシーを身に付けることで日々の業務の効率化や社内のDX化に活かせるでしょう。

IT関連の試験の中でもITパスポート試験の難易度は易しめです。また受験者には経験年数の少ない受験者や非IT系の受験者も多く含まれており、これからITを学ぶ意欲のある方が多く受験しています。業務でITを活用したい方は挑戦してみてはいかがでしょうか。

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