本記事では、ITが企業のウェルビーイングの実現に向け、どのように貢献するのかについて解説します。
人材不足はどの企業においても喫緊の課題ですが、近年注目されているのが健康経営やウェルビーイングという考え方です。従業員の心身の健康を追求するウェルビーイングの実現には、ITが欠かせないとされていますが、具体的にどのような活躍が期待されているのでしょうか。
そもそもウェルビーイングは、心身ともに健康で、なおかつ幸せに過ごせている状態を指す言葉です。
瞬間的に幸福なのではなく、持続的にそういった状態を保てているのが理想とされており、そのためには企業が主体的にウェルビーイングの実現に取り組まなければなりません。個人で心身の健康を確保し、幸福に過ごせるよう努力するのには限界があるためです。
また、ウェルビーイングは働き方改革の一環としても注目を集めています。ウェルビーイングを実現できる組織は、高い企業価値の創出にもつながると考えられています。
ウェルビーイングを実現できなければ、会社が潰れるというわけではありません。しかし、近年は多くの企業がウェルビーイングの達成に動いています。その理由としては以下のようなものが挙げられます。
ウェルビーイングを実現できれば、その企業で働く従業員は他の企業の従業員よりも幸福な人生を歩めることに近づき、いつまでもその企業で働きたいと感じるようになるでしょう。離職率を下げ、高いパフォーマンスを同じ従業員に発揮してもらえれば、人材獲得のコストも小さく抑えられます。
また、外部から優秀な人材を招いたり、潜在顧客に自社サービスを選んでもらえたりするような、ブランド認知向上にも役立ちます。
多くの企業にとって魅力的であるウェルビーイングの実現において、ITの活用は大きな役割を果たします。
まず、ITの活用は業務効率化を実現し、従業員の負担削減につながります。少ない人員でも無理なく業務が回る、負荷の少ない職場環境の実現をITが手助けしてくれるわけです。
例えばコミュニケーション改善につながるITツールの導入は、社員同士の交流を活性化させ、情報共有の負荷を減らすと同時に、会話の絶えない健康的な働き方を促すでしょう。
あるいは新しい評価ツール導入によって、従業員が正しく客観的に評価される仕組みを整備できれば、従業員が「この企業は自分を正しく評価してくれる」と感じ、幸福度や満足度の向上につながるかもしれません。
ITを使った業務改善は、いずれもウェルビーイングの実現に、少なからず良い影響を与えるでしょう。
それでは、ウェルビーイングの実現を目的としてITを導入する場合、どのような点に配慮するべきなのでしょうか。
IT導入の際、まず考えるべきは、自社が抱える課題を洗い出すことです。優先度の高い課題を特定することで、最適なITツールの選定に役立ちます。現場にヒアリングを行うなどして、どんな課題を解決できるITツールが求められているのかを調べましょう。
また、ITの導入だけでなく、企業の制度改革も推進し、健康的な働き方ができるルール作りや文化の醸成に力を入れるのも大切です。ITツールを最大限活用できる、次世代のルールを策定することで、生き生きと働ける職場へとアップデートしましょう。
この記事では、ウェルビーイングの実現にITがどう役立つのかについて解説しました。
ウェルビーイングへの注目は、従業員の満足度を高める上で非常に重要です。現在、自社の従業員がどのような点で不便や不満を抱えているのかに正面から向き合うことで、導入すべき正しいITソリューションを導き出すことができるでしょう。