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キッティングとは?作業内容や効率化する方法について解説

レンテックインサイト編集部

IT Insight キッティングとは?作業内容や効率化する方法について解説

社内にコンピューターを導入する際に行う、初期設定作業のことをキッティングと呼びます。対象となるPCが複数ある場合は、専任の担当者が複数台の作業を一括で行うことが多いでしょう。本記事では、キッティングの作業内容および効率化の方法について解説します。

キッティングとは

キッティングは英語でkittingと表記され、元々は「一式を準備すること」を意味します。企業内で用いられるキッティングの意味としては、購入したコンピューターの設置や動作確認、基本設定、管理登録を完了させ、社員がすぐに利用可能な状態にする作業を指すことが多いでしょう。

例えば、職場に配属される新人用PCの準備、社員用PCのリプレース、オフィスの配置転換の際に、情報システム部などが機器のキッティング作業をまとめて実施します。専門の部署がキッティング作業に対応するのは、一括対応による作業効率化や不慣れな社員による作業ミスの防止などのメリットがあるためです。

IT Insight キッティングとは

キッティングの作業内容

キッティング作業では、コンピューターを開梱してから業務を開始するために必要な作業全般を行います。主に以下のような作業があります。

  • コンピューターや周辺機器の設置、配線
  • コンピューターの初期設定やネットワーク設定
  • 各種アプリケーションのインストールや設定
  • セキュリティ対策の設定
  • 資産管理登録やラベルの貼り付け

同時に複数の端末のキッティングを行う場合、各作業の内容は同一であることが多いため、ユーザーが個別に対応するよりも手順を熟知した担当者がまとめて作業した方が効率的に進みます。

キッティングの方法

キッティング作業にはさまざまな方法があり、専用のツールやサービスを利用すれば手作業より効率化できる場合があります。ここでは代表的な方法を4つ挙げて解説します。作業に対応する情報システム部のリソースや作業コスト、実施台数などを考慮して選択するとよいでしょう。

手作業

担当者が1台ずつ手作業でキッティング作業を行うことを指します。一見非効率にも思えるでしょうが、設定する機器の台数が少ないときや、多様な機器の種類ごとに異なる設定を行うときは、手作業で進めるのが最も効率的となる場合もあります。

高度なスキルやツールがなくても、人員のリソースがあれば実施しやすいことがメリットです。一方で、1台あたりの作業の手間が大きく、作業者のミスが発生する可能性があるでしょう。多少のミスが生じたとしても、急ぎでキッティング作業を終わらせたい場合は有効な方法です。

クローニング

キッティング作業の対象となる複数のPCに、コピー元となるマスターPCから設定内容をコピーする方法です。設定する機器の台数が多く、なおかつ機器の種類が少ないときに選択するとよいでしょう。

機器の台数が多くてもまとめて一気に作業を進められ、各機器が同等の品質にできることがメリットです。しかしコピー元となるマスターPCの設定や検証には手間がかかり、クローニング作業に関するノウハウも必要です。また機器の種類ごとにマスターPCが必要となるため、対象となる機器の種類はなるべく統一されている方が対応しやすいでしょう。

ゼロタッチキッティング

クローニングに近い方式ですが、ゼロタッチキッティングではキッティング作業の対象となる機器の設定情報はクラウド上に保存しておきます。ユーザーが対象機器をインターネットに接続すれば、保存されていた設定情報が付与されるという方式です。近年はテレワークを導入する企業も増えていますが、この方式であれば自宅で作業するユーザーが自らキッティング作業を完了させることが可能となります。

機器の開梱や設置作業などはユーザーが行う必要があります。情報システム部の担当者はクラウド上での設定作業のみ実施すればよいため、工数削減につながるでしょう。また各ユーザーのアカウントや資産管理をクラウドで一元化できることもメリットです。ただし、ゼロタッチキッティングには専用ツールの導入が必要となります。

アウトソーシング

キッティング作業を社外の専門業者に依頼することを指します。社内のリソースが足りないときや、キッティングのノウハウがないときに選択するとよいでしょう。

専門業者であるため作業品質が高く、スケジュールの目途も立ちやすいはずです。またキッティングに必要な作業内容や資産管理の方法などのノウハウを取り入れられることもメリットです。欠点としては、作業内容や機器の台数にもよりますが、社外の業者に依頼するためコストは高額になります。またキッティング作業を依頼するということは、社内の情報が業者に漏れる可能性があるため、業者選びには十分注意しましょう。

キッティングの注意点

ここまでキッティングの方法を複数紹介しましたが、対象となる機器の台数や種類、部門ごとの設定内容の違いを把握した上で、適切な方法を選択することをおすすめします。手作業で対応したところ想定以上に時間がかかって本来の業務が滞ったり、アウトソーシングしたら無駄にコストが発生したりと本末転倒な結果になる可能性もあります。

作業内容によっては、エンドユーザーが個別にキッティング作業を実施した方が効率的な場合もあるでしょう。ただし、ユーザーが実施する場合でもマニュアル作成などの手間は発生します。人員のリソースや想定コストなどを比べた上で方法を検討するとよいでしょう。

キッティング作業の効率化

キッティングとは、コンピューターなどの機器の初期設定を実施し、社員がすぐに業務利用できる状態にすることです。手作業やクローニング、ゼロタッチキッティング、アウトソーシングなどの方法があり、必要となるリソースやコスト、ツールなどの違いがあります。キッティング対象機器の台数や種類、部門ごとの設定内容を把握した上で、リソースに応じて効率的な方法を検討するとよいでしょう。

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