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世界が環境テックに注目する背景とは?最新のスタートアップ事例を紹介

レンテックインサイト編集部

本記事では、環境問題に取り組むテクノロジー企業、通称環境テック企業が注目を集める背景や、どのような企業がどのように環境テック領域で活躍しているのか解説します。

ハイテク企業は現在、世界経済に大きな影響を与えている事業領域であり、代表的なハイテク企業としては米Google社などが挙げられます。さらに近年は、新しいテクノロジーを活用した企業の成長も著しく、中でも環境問題に取り組む企業の市場価値はうなぎのぼりとなってきています。

環境テックとは

環境テックは、環境問題の解決にテクノロジーの力で貢献する領域を指す言葉です。地球温暖化をはじめとする環境問題への取り組みは、21世紀の主要な課題として残り続けていますが、テクノロジーで積極的に解決に取り組む企業が増えてきました。

代表的な環境テック企業としては、テスラが挙げられるでしょう。イーロン・マスクが創設した同社では、電気自動車の開発や自動運転の実現にほかの企業よりも早期から取り組んでおり、化石燃料に頼らない移動手段を実現するということで、その評価は年々上昇しています。
環境テックはビジネスモデル次第で、大きな市場価値を有する領域となりつつあります。

なぜ環境テックが注目を集めるのか

環境問題に企業が率先して取り組むことの重要性は以前から指摘されてきたものですが、なぜ今になって環境テックが注目を集めるようになったのでしょうか。

一つは、地球の環境問題が以前にもまして明らかに社会生活へ影響を与えることが増えてきていることが挙げられます。海面の上昇やエネルギー価格の高騰、干ばつやその他異常気象など、多くの出来事が人の営みに影響を与えています。

人間の環境破壊が直接影響しているかは不透明な面もありますが、地球環境への負荷を低減することで、その変動を抑制することが重要です。そのため、環境テック企業のように、環境負荷を抑える取り組みに力を入れる企業は、以前にもまして注目を集めています。

環境テックが注目されているのは、テクノロジーの急速な進化により、対処できる領域が広がっていることも背景に挙げられます。新エネルギーの開発や製造技術の革新によって、努力次第で高い生産性と環境負担の抑制の両立が可能になってきていることが広く認知されています。

そのため、環境テックは今後伸びる領域と評価され、多くの投資家や消費者が環境テック企業の成長に期待しているのが現状です。

環境テック領域で期待のスタートアップ事例

環境テック企業は、主に欧米圏での勃興が著しくなっています。例えばAIを活用し、植物ベースの乳製品を開発するNotCoは、CO2排出量の抑制に貢献することが期待されているスタートアップです。すでに米国や中南米へ向けて植物ベースの牛乳やマヨネーズ、アイスクリームなどの出荷をスタートしており食品業界を賑わせています。

検索エンジンの「Ecosia」も、近年注目を集める事業です。同サービスを使って発生した広告利益の80%を植林プロジェクトに寄付するとしており、そこから得られた収益をさらなる環境テックのスタートアップへの投資に役立てています。

日本の環境テック事情は?

日本ではあまり環境テックという言葉は広まっていないものの、環境問題の解決につながる技術開発は次々と進んでいます。

例えば介護食を作る際に3Dプリント技術を活用するといったような、フードロスの削減につなげる山形大学の取り組みは、将来的に環境テックとして大きく活躍することが期待できます。

テクノロジーを活用した環境問題解決が大きな市場を作っている

この記事では、テクノロジーを活用した環境問題解決に取り組む、環境テックの概要について解説しました。環境問題の解決は、SDGsの達成という意味ではもちろんのこと、問題解決そのものが市場創出に貢献する点は見逃せません。

自社の技術やノウハウを活かし、環境テック領域への進出も検討することで、新規ビジネス創出につながる可能性もあるでしょう。

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