現代のデジタル社会では、ITセキュリティが企業の存続に直結しています。特に、コンピュータウイルスはその脅威の一つです。ここでは、IT担当者が知るべきコンピュータウイルスの種類と対策について解説します。
「コンピュータウイルス」は、ITの世界で広く使われる言葉ですが、具体的に何を指すのでしょうか? コンピュータウイルスの基本的な知識を理解することで、より効果的な防御策を立てることが可能になります。
コンピュータウイルスは、他のプログラムに自身のコードを組み込み、そのプログラムが実行されることで動作し、さらに自己複製を行うソフトウエアです。ウイルスは、感染したコンピュータの機能を制限したり、情報を盗んだり、あるいはコンピュータを完全に機能停止させる可能性もあります。
ウイルスは様々な経路を通じてコンピュータに感染します。例えば、電子メールの添付ファイル、ダウンロードしたソフトウエア、訪れたウェブサイトなどから感染することがあります。一度感染すると、ウイルスはコンピュータのパフォーマンスを低下させたり、プライバシーの侵害、データの損失や盗難など、深刻な影響を及ぼしたりする可能性があります。
ウイルス感染のリスクは非常に高く、誤ったクリック一つで企業全体が影響を受けることもあります。それゆえに、ウイルスに対する適切な知識と対策が重要となります。これはIT担当者にとって、重要な責務となるでしょう。
IT担当者として、重要なのは各種ウイルスの種類とその特徴を理解し、適切な対策を講じることです。
「マルウエア」とは「悪意あるソフトウエア(malicious software)」の略称で、その名の通り、ユーザーのコンピュータやデータに害をおよぼす意図を持って作成されたソフトウエアの総称です。コンピュータウイルスもマルウエアの一種です。以下に、代表的なマルウエアの種類とその特性について解説します。
コンピュータウイルスは、自己複製して拡散することが特長のマルウエアです。感染力が高い一方その他のマルウエアは、特定の目的に特化したものが多いです。
トロイの木馬は、一見有用なソフトウエアやデータファイルに擬態しているマルウエアの一種で、それを開くとコンピュータに感染します。このタイプのウイルスは、ユーザーの操作を乗っ取るだけでなく、パーソナルな情報を盗み出すこともあります。
スパイウエアは、ユーザーのコンピュータの操作を秘密裏に監視し、その情報を送信するマルウエアです。個人情報、クレジットカード情報、パスワードなど、重要な情報が盗み出される可能性があります。
ランサムウエアは、感染したコンピュータのデータを暗号化し、その解除のためにユーザーから金銭を要求するタイプのマルウエアです。近年では、企業や自治体に対する大規模な攻撃が増えており、その被害額は年々増加しています。
ワームは、自己増殖型のマルウエアで、ネットワークを介してほかのコンピュータに感染を広げる能力を持っています。感染すると、ネットワーク全体のパフォーマンスを低下させる可能性があります。
コンピュータウイルスとの違いとしては、ウイルスはファイルやプログラムへの感染が必要となりますが、ワームは自身を複製してネットワーク経由で拡散する事などがあげられます。
ルートキットは、システムの基本的な機能に深く組み込まれ、その存在を検出しにくくする特性を持ったマルウエアです。ルートキットに感染すると、その存在を見つけ出すのが難しくなります。また、ルートキットをバックドアとして他のマルウエアに感染する原因となり、被害が大きくなることもあります。
これら以外にも、アドウエア、キーロガー、ボットネットなど、さまざまな種類のマルウエアが存在します。それぞれが異なる脅威をもたらし、異なる対策が必要となります。
デジタルの脅威として急速に進化するコンピュータウイルスに対抗するためには、多角的かつ体系的な対策が必要です。ここでは、予防策から駆除、そして事後対策までを詳しく説明します。
一般的なウイルス対策として最もよく知られているのが、セキュリティソフトの活用です。これらのソフトは、PCにコンピュータウイルスが侵入するのを防いだり、既に侵入したウイルスを発見・駆除したり機能を持っています。ただし、ウイルスは日々新種が生まれており、それに対応するためにもセキュリティソフトは常に最新のバージョンに更新しておく必要があります。
また、最新のウイルス情報を収集し、その特性や脅威、対策方法を把握しておくことも重要です。専門機関やITセキュリティ企業の発表を定期的にチェックし、新たなウイルスの情報を常に収集しましょう。
予防策にもかかわらずウイルス感染してしまった場合、最重要なのは早期にそのウイルスを発見し、駆除することです。このために、ウイルススキャンは定期的に行うべきです。また、感染が確認された場合はウイルス駆除ソフトを使用して即座にウイルスを駆除することが求められます。
しかし、いずれのソフトも100%の効果を保証するものではなく、新種のウイルスに対しては効果が限定的な場合もあります。そのため、ウイルスの種類によっては専門家の意見を求めることも重要です。
マルウエアの種類によっては、特定の場所やファイルに潜むことがあります。たとえば、ランサムウエアなどは重要なファイルを暗号化することでシステムの利用を制限されます。そのため重要なファイルやシステムを重点的にスキャンすることが効果的です。
事前の対策が万全であっても、ウイルス感染を完全に防ぐことは困難です。したがって、事後にデータの復旧ができるように定期的なバックアップを取ることは必須といえます。特に重要なデータは定期的に異なる場所にバックアップを取ることで、万が一のデータ損失に備えることができます。
また、ウイルスに感染した後のシステム修復には時間とコストがかかります。その際には専門家の意見を求めるか、信頼できるITサポート企業に依頼することをおすすめします。それにより、システムを早期に正常な状態に戻すことが可能になります。
被害を最小限にするためには、事前に災害復旧計画を策定し、すべての従業員がその計画に従うようにすることが重要です。また、セキュリティポリシーを明確にし、従業員がそれを理解し遵守するようにすることで、感染リスクや感染後の被害を低減することができます。
現代の複雑なマルウエアやコンピュータウイルス対策には、最新のテクノロジーを活用することが求められます。ここでは、その一つであるインテル® vPro® プラットフォームの詳細と、その利用のメリットについて解説します。
インテル® vPro® プラットフォームは、ビジネス向けのハードウエアとソフトウエアの統合ソリューションです。リモート管理、プロアクティブセキュリティ、パフォーマンスに優れたPCのために特化して開発されています。これにより、IT担当者はリモートからでもエンドポイントのセキュリティ状態を監視し、必要な対策を迅速に講じることができます。
参考ページ: テレワークで重視されるエンドポイントセキュリティとは?
インテル® vPro® プラットフォームは、セキュリティ対策の面で多大なメリットを提供します。高度なハードウエアセキュリティ機能と、リモート管理機能によって、IT担当者はシステムの脅威を早期に察知し、即座に対応できます。また、プラットフォームはエンドユーザーの生産性を犠牲にすることなく、高レベルのセキュリティを維持することを可能にします。
インテル® vPro® プラットフォームを利用すれば、IT担当者はセキュリティ管理を一元化し、エンドユーザーのパフォーマンスとセキュリティを同時に向上させることが可能です。さらに、プラットフォームの高度なリモート管理機能によって、リモートワーク環境でもエンドユーザーのPCを安全に管理することができます。
これからの時代、ますますITセキュリティは重要なテーマとなります。コンピュータウイルスの種類とそれぞれの対策を理解することはもちろん重要ですが、それと同時に先進的なセキュリティ対策ソリューションを活用することで、より強固なセキュリティ環境を構築することが可能です。
なお、これらの対策をより簡単に行うための一つの方法として、オリックス・レンテックの「PCレンタル+クラウドサービス」があります。このサービスを利用すると、インテル® vPro® プラットフォーム搭載のPCをレンタルし、その上で必要なクラウドサービスを組み合わせることができます。詳細については以下のリンクからご覧いただけます。