IT Insight

オフィスを新たなステージに引き上げるモダン デスクトップの可能性

レンテックインサイト編集部

 ITの活用が進むにつれて、セキュリティーコストの増大など、新たな悩みも増えています。 しかし、それらの悩みはPCを刷新することで解決できるかもしれません。 そこで本稿では、セキュリティー対策から働き方改革まで、さまざまな可能性を秘めるモダン デスクトップをご紹介します。

小規模企業でもセキュリティー脅威にさらされている

 ITの活用が進んだことにより、新たなビジネスの創出や生産性の向上など、企業は数々の恩恵を受けています。 一方で、個人情報の漏えいや機密情報の流出など新たな問題がクローズアップされるようになりました。

ヒト、モノ、カネに続き「情報」は第4 の経営資源です。情報の持つ価値・権利を守るために、企業は重要な情報を漏えい、消失、改ざんなどから保護しなければなりません。 しっかり対策を立てておけば企業の信用性が高まる一方で、対策が十分でないと企業の屋台骨を揺るがすリスクを負うことになります。 実際、重要な情報を漏えいしたことで多額の賠償金を請求された企業も存在します。

近年の悪意のある攻撃者は組織化しており、高い利益を得るために大手企業などに標的を絞り込む傾向にあります。 そのような認識が広まっているためか「ウチは規模が小さいから大丈夫だろう」と考えている企業も少なくありません。

しかし、2018年にマイクロソフトとインテルが発表した「日本の SMB におけるPC 利用環境に関する調査」によると、 実は小規模企業の46%がPCのセキュリティー問題に直面し、データ漏えいや侵害の被害を受けています。 セキュリティー事故を対岸の火事と捉えず、今の対策で十分か、改めて検討することが大切です。

まず取り組みたいセキュリティー対策とは

 内閣サイバーセキュリティーセンターの発表した「中小企業のセキュリティー対策とクラウド活用」によると、セキュリティー対策には五つのステップがあります。

  • ステップ1:端末への対策
  • ステップ2:ネットワークへの対策
  • ステップ3:日々のモニタリング
  • ステップ4:感染時の駆除・復旧
  • ステップ5:保険加入・フォレンジック対策

端末への対策は最も基本的な対策となります。 ウイルス対策ソフトを入れることはもちろんですが、インストールしたソフトウエアを最新の状態にしておくことが重要です。

なぜ最新にしておく必要があるかというと、古いソフトウエアには脆弱(ぜいじゃく)性が含まれる可能性が高いためです。悪意ある攻撃者はこの脆弱(ぜいじゃく)性を狙って攻撃します。

この脆弱(ぜいじゃく)性とはソフトウエアのバグのようなもので、どんなソフトウエアでも脆弱(ぜいじゃく)性が含まれる可能性はゼロではありません。 開発元の企業は脆弱(ぜいじゃく)性を日々発見し、問題を修正したアップデート版を提供しています。

これはOperating System(OS)についても同じことがいえます。特にOSは使用するユーザーが桁違いに多いため、悪意ある攻撃者がその脆弱(ぜいじゃく)性を狙う傾向にあります。

現在もユーザーの多いWindows 7 は2020年1月14日にサポートを終了します。サポート終了は、「脆弱(ぜいじゃく)性が発見されても開発元が対応しない」ことを意味しており、 サポート終了後もWindows 7をそのまま使い続けると、セキュリティーリスクがどんどん高くなります。

そのためWindows 7を使用している場合は、Windows 10への移行が必要になってきます。 Windows 10は高い安全性を実現するべく設計されており、基本的なセキュリティー機能が標準搭載されています。

現在使用しているアプリケーションや周辺機器がWindows 10に対応していないのではないかと考えている企業も少なくありません。 しかし、Windows 10はWindows 7で動作しているアプリケーションの互換性を、約99%確保しています。

最新デバイスがオフィスを変える!

 Windows 10への移行を検討するなら、「モダン デスクトップ」への移行も有効な手段となるでしょう。 モダン デスクトップとは、Intel® Core™ vPro™ プロセッサーを搭載した最新のWindows 10 Pro デバイスのことです。

「最新デバイスにするのは理想だが、コストがかかる」という理由で足踏みをする企業も多いかもしれません。 「日本の SMB におけるPC 利用環境に関する調査」によると中小企業がPCを買い替えるサイクルは約5年となっています。

しかし、4年以上経過したPCにかかるコストは349,983円となると同調査は指摘しています。 これは新しいPC2台かそれ以上に相当します。古いPCを1台持っているよりも最新のPCを2台購入した方が安いことになります。

古いPCにコストがかかる要因は、壊れやすくなっていること、そして処理能力が低いために仕事の効率が悪くなることです。 4年以上経過したPCは修理が必要となる可能性が3.4倍に増えると試算されています。 また最新のPCの処理能力は、4年以上経過したPCの2.1倍。時間にして129時間損失している結果になりました。

場所を選ばない働き方の可能性

 モダン デスクトップは、生産性向上だけでなく、場所を選ばない働き方を実現する可能性を秘めています。 というのも、クラウドベースのOfiice365を活用することにより、リモートワークが可能になるからです。

「リモートワークでは、目が届かないので管理ができないのではないか」という声も聞かれます。 しかし、実際にリモートワークを選択すると優秀な社員はどこにいても高い生産性を発揮することがわかっています。

Small Business Trendsの試算によると、リモートワークを選択することで、労働生産性が約22%向上するとしています。 通勤時間を節約し、作業に集中できる環境に自分を置くことで生産性を向上させることが期待できます。 中小企業が社員を1人フルリモートワークとした場合、平均で年220万円のコストが節約されるとされており、企業にとってもメリットが大きくなります。

現在、育児や介護により望まない離職を選択している人も増えています。リモートワークという働き方が選択肢として加わることで、離職率の削減も期待できます。

働く人が生き生きとするオフィス変革

 モダン デスクトップはセキュリティー対策、コスト削減だけでなく、オフィスを新たなステージへ引き上げる可能性を秘めています。 予算に合わせたスペックを選べるのも魅力。働く人が生き生きとするオフィスに変えていきましょう。

IT Insightの他記事もご覧ください

Prev

Next