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セキュリティ対策の専門組織「SOC」とは?

レンテックインサイト編集部

サイバー攻撃の脅威が増す中で、SOCと呼ばれる組織の需要が高まっています。SOCはセキュリティの分野では広く知られている言葉ですが、よく分からないという方もまだまだ多いでしょう。

本記事では、企業がセキュリティ対策に取り組む上で知っておきたいSOCについて解説します。

SOCとは?

SOC(Security Operation Center)は、サイバー攻撃を受けたことを検出・分析し、対応策のアドバイスなどを行う専門組織です。SOCにはセキュリティに精通した人材が集められており、さまざまなサイバー攻撃を検出・分析しています。

基本的に、SOCはネットワークやサーバー、Webサイト、デバイスなどの状態を24時間365日体制で監視しています。さまざまなサイバー攻撃を即座に検出・分析することで、攻撃を受けた後に迅速に対応して被害を最小限に食い止められます。また、今後の対応策を練ることで、サイバー攻撃の被害を未然に防ぐことも目指します。

SOCでは、監視対象のログを収集してサイバー攻撃を検出します。その際には、SIEM(Security Information and Event Management)と呼ばれるログを一元管理できるツールが使用されることが多いです。SIEMがサイバー攻撃やその兆候を検出すると、SOCの担当者にアラートが飛び、内容や影響度合いを調査するという流れになっています。

なぜSOCの需要が高まっているのか?

SOCの需要が高まっている主な理由は、サイバー攻撃の脅威が増しているためです。

昨今、あらゆるもののデジタル化が進む一方で、サイバー攻撃も多様かつ高度に進化しています。かつてのサイバー攻撃は、個人的な愉快犯や、目立ちやすい攻撃が多い傾向にありましたが、現在は組織的かつ目立たない攻撃が増えている状況です。

例えば、2022年3月にトヨタ自動車がサイバー攻撃の影響によって国内全工場の稼働を一時停止しました。原因は同社に樹脂部品を供給する主要なサプライヤーがランサムウエアによるサイバー攻撃を受けたためであり、厳重なセキュリティ対策を行っているトヨタ自動車よりも、対策が甘い傾向にあるサプライヤーを巧妙に狙った犯行とみられています。

また、同じく2022年3月にはデンソーの子会社が同じくランサムウエアの攻撃を受けて情報が流出し、金銭を支払わなければ奪った情報を公開すると脅された事例もあります。

ランサムウエア以外にも、標的型攻撃、不正アクセス、DDos攻撃などの被害が国内外で相次いでいます。そのため、昨今では企業規模を問わずにセキュリティ対策が重要視されるようになりました。

SOCが担っているネットワークやサーバーの監視は、従来は企業内の情報システム担当者によって行われるのが一般的でしたが、多様化・高度化するサイバー攻撃に対処するためには専門的なノウハウが求められます。そのため、専門家の集まりであるSOCを構築することで、サイバー攻撃に対処しようとする企業が増えているのです。

企業がSOCを構築する方法

企業がSOCを構築する方法は、2パターンに分かれます。

一つ目は、SOCを自社内で構築する方法で、「プライベートSOC」とも呼ばれています。自社の業務やネットワーク環境などに合わせて最適化できる点がメリットですが、専門的な人材を確保するのが難しいというデメリットもあります。一部の大企業を除き、SOCを自社内で構築できる企業はほとんどいないのが実態です。

二つ目は、ほかの企業が提供するSOCサービスを利用する方法です。自社で専門的な人材を確保する必要がなく、外部のプロの知見を取り入れながらSOCを構築できる点がメリットです。また、自社だけで24時間365日の監視体制を構築するのは困難ですが、SOCサービスを利用すればベンダーが代わりに監視を行ってくれるため、いつ発生するか分からないサイバー攻撃にも備えやすくなります。

現状、SOCを構築している企業のほとんどはSOCサービスを利用してサイバー攻撃に備えており、サービスの提供企業も多数存在しています。SOCサービスを利用する場合は、サービス内容や実績、費用対効果、保守体制の充実度などを総合的に評価して、選定するようにしましょう。

最近では、SOCサービスにAIを取り入れているベンダーも増えています。SOCの課題として、アラートが多すぎて真の脅威を見極められないという内容がよく挙げられますが、AIが事前に分析をして絞り込むことによって、真の脅威となり得る事象のみの抽出が可能です。SOCサービスも常に進化しているので、より効率的にサイバー攻撃に備えられるものを選定するのがおすすめです。

SOCを構築してセキュリティ対策を

サイバー攻撃への対策として、すでに多くの企業がSOCを構築し始めています。昨今では情報の価値がますます高まっているため、サイバー攻撃による被害を防ぐためにあらゆる企業にセキュリティ対策が求められている状況です。まずはSOCサービスの比較から始めていき、SOCについての理解を深め早急の対応を取ることが望まれます。

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