これからの情報社会を見据えて、セキュリティ資格の価値が高まっています。セキュリティ資格は個人・企業の両方にメリットがあるため、取得を目指す人は増えていくでしょう。
本記事では、セキュリティ資格を取得するメリットや主要な資格の概要についてご紹介します。
セキュリティ資格とは、不正アクセスをはじめとするサイバー攻撃から身を守るための知識やスキルを保有していることを客観的に証明できる資格です。情報の価値が高まっている現代において、セキュリティ資格の取得を目指す人は増加しています。
セキュリティ資格の取得は、個人と企業の両方にメリットがあります。
個人にとってのメリットは、自身のスキルアップに役立つことです。現代の企業にとってセキュリティ対策は必須の取り組みとなっており、それを担える人材の価値は高まっています。セキュリティに関する専門的な知識や実践的なスキルを持つことを証明できれば、昇進や転職に役立つでしょう。
企業にとってのメリットは、自社のセキュリティ強化が見込めることです。サイバー攻撃によって情報漏洩をしてしまうと、自社だけでなく取引先や顧客にも損害を与えてしまう恐れがあります。セキュリティ資格を有する担当者が自社のセキュリティ強化に努めることによって、サイバー攻撃の被害を防ぎ、対外的な信頼を得られると考えられます。また、最近ではセキュリティ対策が企業の強みの一つに数えられるようになっており、自社の競争力を向上させるという意味でも重要な取り組みといえます。
ここでは、認知度の高い主要なセキュリティ資格を5つご紹介します。
セキュリティ関連の資格は、大きく三つに分類できます。
資格によって学習内容や難易度が大きく異なるため、目的や用途に応じたものを選定しなければなりません。
情報セキュリティマネジメントは、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が主催する国家資格です。企業のセキュリティ体制構築に貢献し、サイバー攻撃などの脅威から継続的に企業を守るための基本的なスキルを認定しています。
セキュリティ関連の国家資格としては入門レベルに位置付けられており、合格率は50%前後と比較的高めです。業界・業種を問わない汎用的なセキュリティ知識を学べるため、情報システムを扱う担当者であれば取得して損はない資格といえます。
情報処理安全確保支援士も、上述した情報セキュリティマネジメントと同じくIPAが主催する国家資格です。企業が安全な情報システムを開発・運用できるように支援したり、セキュリティ対策の調査・分析・評価を行ったりするための専門的なスキルを認定しています。
合格率は20%前後と低く、難関資格として知られています。取得者はセキュリティ対策の専門家としてコンサルティングも担うこともできるので、セキュリティ担当者であれば取得を目指すとよいでしょう。
情報セキュリティ管理士は、一般財団法人全日本情報学習振興協会が主催する公的資格です。セキュリティ対策の管理職・リーダーとして必要な知識を有することを認定しています。
試験内容は情報セキュリティの基礎知識や基本的な対策、コンピュータに関する一般知識などが中心で、合格率も過去平均で49.6%と高めになっています。セキュリティ担当者を目指す人はもちろん、ITリテラシーを高めたい事務系職種の方にはおすすめの資格です。
CISSPは(ISC)2が認定する公的資格です。情報セキュリティのプロフェッショナルを認定する資格として国際的に知名度が高く、海外企業の一部ではCISSPの取得がセキュリティ担当者の必須条件とされています。
(ISC)2の認定資格はCSSLP・SSCP・CCSP・CISSPに分かれており、CISSPが最上位にあたります。合格率は非公開となっていますが、最上位資格だけあって難易度はかなり高く、知識だけでなく実務経験も求められると考えられます。CISSPを取得している人材や所属企業の信用度は大変高いため、海外企業との取り引きが多い場合は取得を目指すのもよいでしょう。
シスコ技術者認定は、ネットワーク機器の大手メーカーであるシスコシステムズ社が主催する民間資格です。民間資格の中では知名度が高く、国際的に通用する資格として認知されています。
エントリー・アソシエイト・プロフェッショナル・エキスパートの4つに大別されており、その中でもさらに細かく資格が分かれています。機器の設定方法といった実務的な知識も求められるため、実際にネットワーク機器を扱うエンジニア向けのセキュリティ資格です。
セキュリティ資格は難易度が高いものばかりですが、取得することで大きなメリットを得られます。これからの情報社会において、セキュリティ資格の価値はますます高まっていくでしょう。
昨今では、個人のスキルアップだけでなく、企業が自社の従業員の取得を支援する例も増えています。今後、セキュリティ資格の取得を目指し、個人や企業の価値を高めることが重要な課題となるでしょう。