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5G通信インフラ開始により、どんな新サービスが展開できるのか!

レンテックインサイト編集部

株式会社NTTドコモ(以下「NTTドコモ」)をはじめとする携帯電話会社各社が、2020年のサービス開始に向けて、 着々と準備を進めている次世代モバイル通信インフラ「5G(第5世代移動通信システム)」。
以前の記事では、5Gの実用化による「通信」や「計測技術」への影響についてご紹介しましたが、5Gが実現する高速・大容量通信は、今後どのようなサービスに生かされるのでしょうか。

5Gが実現する、高速・低遅延の概要

 2018年6月に策定された5Gの仕様フェーズ1では、下り最大20Gbps/上り最大10Gbpsと定義されました。 速度比較の例として、2時間の映像データ(約3.6Gバイト)をダウンロードする場合を挙げると、 現在の4G(第4世代移動通信システム)では30秒ほど要しますが、5Gならば約3秒でダウンロードが可能になります。 他にも5Gが実現するモバイル通信には、「ミリ・秒(1/1000秒)単位の低遅延」や「多数の端末との接続」という特徴があり、従来のモバイル通信では実現できなかった、 新たなサービスの提供を支える通信インフラとして期待が掛かっています。

以下では、5Gが持つ高速・大容量通信と低遅延の特徴を生かして、NTTドコモが各パートナー企業と研究を進めているサービスを中心にご紹介します。

高速・大容量通信の特徴を生かしたサービス

例えば、医療分野での活用を想定した場合、僻地にある病院の医師でも、事故現場から怪我人の傷口を撮影し、 高精細映像で伝送すれば、都心の大病院にいる専門医から意見を聞くことができます。 接写カメラで捉えた4K画像であれば、細かい傷の情報までを確認することが可能です。 実際に和歌山県と和歌山県立医科大学は、NTTドコモと共同で高精細診断画像による遠隔診療の実証実験を進めています。 過疎地域や僻地にある診療所から、CTスキャンの画像やエコーデータ、テレビ会議システムを使った映像などを5Gで県立病院の診察室に伝送することで、専門医による正確な診断を可能にしています。 音声や映像の遅延も無くなるため、患者の診察もスムーズに行えているとのことです。

他にも災害現場での活用を想定した場合、4Kカメラで上空から撮影した映像をリアルタイムに伝送・分析することで、 災害時の被害状況や道路渋滞情報などの正確な把握と、適切な避難指示に役立てることが可能です。 NTTドコモではその実例として、熊本県阿蘇市の協力のもと、ドローンで空撮した4Kカメラの映像を5Gで防災センターに転送する実証実験を行いました。 実験では、撮影した映像データを一旦有線で地上の移動局に伝送し、そこから5Gで基地局に転送しています。 これにより、ドローンで撮影した建物の精細な画像から、遠方にある阿蘇山の様子までを、遅延なく4Kテレビに映し出すことに成功しています。

低遅延の特徴を生かしたサービス

日鉄ソリューションズ株式会社はNTTドコモと共同で、遠隔地にいる人と視覚・力覚を同期させた「人型ロボット」の研究を進めています。 人型ロボットの目に組み込まれた2眼高精細カメラからの映像を、遠隔地でロボット操作に関わるオペレータのヘッドマウントディスプレイに、リアルタイムで表示させることを可能にしています。 また、ロボットの指先に付けられた圧力センサーの情報が、オペレータの力覚フィードバックグローブに伝えられ、ロボットが物を掴む感触も遠隔地からリアルタイムに感じ取ることができます。 逆に、オペレータが体に付けたモーションキャプチャにより、人の体の動きをリアルタイムにロボットへ伝送すれば、遠隔にいるロボットを人間の動きに合わせて動作させることも可能になるそうです。

5G通信の特徴を生かした実証実験の例は、NTTドコモだけではありません。 KDDI株式会社では、スポーツ中継で複数のカメラを使い、普段見ることができない視点から選手の動きを見る「自由視点映像」の実験を行っています。 例えば野球中継の場合、ピッチャーの投球をキャッチャーの後ろから眺めたり、投球を待つバッターの表情を拡大して見たりといったことまで可能になるそうです。 このように、5Gによる新サービスや事業創出はさまざまな可能性を秘めています。

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