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脱炭素経営はもはや不可欠。 GHG排出量算定サービス「zeroboard」で見えるもの

レンテックインサイト編集部

IT Insight 脱炭素経営はもはや不可欠。 GHG排出量算定サービス「zeroboard」で見えるもの

2050年カーボンニュートラル宣言の達成に向け、脱炭素経営に取り組むことは企業にとって不可欠といえるでしょう。ゼロエミッション(CO2排出ゼロ)に近づくためにまず取り組むべきなのがGHG(※)排出量の算定です。

国内・海外における脱炭素の現状と株式会社ゼロボードの取り組みやビジョンについて、GHG排出量算定・可視化クラウドサービス「zeroboard」を展開し同領域をリードする株式会社ゼロボードの代表取締役、渡慶次 道隆(とけいじ・みちたか)氏に伺いました。

※…Greenhouse Gas(温室効果ガス)の略称。

脱炭素の取り組みは「あった方がよい」から「不可欠」へ

外資系金融機関でキャリアをスタートし、大手総合商社を経てエネルギー×ICT関連の事業投資や新規事業の立ち上げに従事。2018年に転職したスタートアップ企業で同領域の経験をさらに深め、2021年9月に株式会社ゼロボードの自社事業として「zeroboard」を展開した渡慶次氏。この1年で「脱炭素の取り組みはnice-to-have(ナイストゥハブ:あった方がよい)からmust-have(マストハブ:不可欠)になった」と話します。

脱炭素経営はもはや社会貢献の一環ではありません。取り組まなければ事業が存続できない可能性があるという認識も広がってきています。

そんな中で株式会社ゼロボードが目指すのは、「zeroboard」を脱炭素化のためのデファクトスタンダード(事実上の標準)の仕組みとし、金融機関、商社、電力会社、ガス会社、自治体といったパートナー企業・団体とともにエコシステムを構築していくことです。「こういった方々はステークホルダーのCO2排出量を下げたい、あるいは下げる過程でビジネスをしていきたいというニーズが非常に高い」(渡慶次氏)。

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CO2排出量削減に先駆的な業界は製造業 国際情勢の影響は?

CO2排出量削減に対し先駆的な業界として、渡慶次氏は製造業界を挙げます。

GHG排出量の算出・報告の基準となるGHGプロトコルには三つのScopeが存在します。そのうち、Scope1・2は自社のエネルギー利用に伴う直接・間接の排出量を対象としており、大規模な事業所を抱える企業では、もとより環境法令に基づく報告が行われていました。Scope3は自社以外のステークホルダーすべての排出量が対象であり、自動車業界などサプライチェーンが長いものづくり企業は、早くから危機感を持って取り組みを進めているということです。

こうした社会の意識の高まりが進む一方、ロシアのウクライナ侵攻や国内の電力不足など脱炭素にとって逆境となる情勢も見られます。しかし渡慶次氏は「それによって(脱炭素の)取り組みをやめようという企業は事業会社のレベルではほぼない」と予測しています。むしろ地政学的リスクによりインフレ圧力にさらされる化石燃料への依存度を下げる方向へ企業は向かっていくという見解を示しました。

渡慶次氏自身が課題と考えているのは、サプライチェーン排出量は一社では削減できないということです。取り組みに対する費用対効果が高い領域をあぶりだす必要があり、「やはりサプライチェーンの中でのデータの連携が必要になってくる」と話します。そのためのソリューションが「zeroboard」なのです。

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「ソフトウエア」と「人による支援」の両輪で脱炭素をサポート

「zeroboard」は煩雑なデータ処理を必要とするサプライチェーン排出量や製品別・サービス別のCO2排出量を算定し、視認性の高いダッシュボードによりCO2排出量の削減管理や費用対効果のシミュレーションを実現します。サプライヤー、納品先とのデータの連携により、Scope3までを対象としたネットワーク効果による脱炭素の進展が期待できるとのことです。また、GHGプロトコルなどの国際的な開示形式や、国内の各種環境法令の開示項目に準拠したレポート作成が可能です。

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例えばデータの格納場所が分からないという場合もあるでしょう。そのようなケースも踏まえ「誰がどうやって入力をするかといった、社内でのデータを収集する業務フローまで一緒に構築するような算定の支援をしています」と、渡慶次氏。

続けて、「『ソフトウエア』と『人による算定の支援』の両輪でサービスを提供しているのが株式会社ゼロボードのユニークなところ」と話します。脱炭素マーケットの先駆者として、新しい課題を見出しそれに対するソリューションを世に送り出すことで他社との差別化を実現しているということです。

目指すのは「脱炭素のデファクトスタンダード構築」と「海外展開」

ゼロボード社が今後目指すものとして渡慶次氏は「脱炭素データプラットフォームのデファクトスタンダードを築くこと」と「海外展開」を挙げます。サプライチェーンは世界的に繋がっており、排出量算定のルールは前述したGHGプロトコル1本で走っているため、海外展開は比較的容易とのこと。「2022年8月よりに東南アジアに進出します」と渡慶次氏。「アジアの中でも最大の企業になれるポテンシャルはある」と意気込みを語りました。

世界各国が脱炭素に力を入れ始めており、その中でも日本の進み具合は「制度的にはかなり早い」ということです。市場への開示の義務化が進みつつあり、有価証券報告書への気候リスクの記載も義務化される見通しとなりました。炭素排出量に応じて金銭的負担が求められるカーボンプライシングの導入も今後進められるでしょう。とはいえ、渡慶次氏曰く「世界をリードする存在にはなっていない」のが現状。制度に対し企業の取り組みが遅れを取っているということです。制度や世界の潮流にキャッチアップできるかどうかがこれからの日本企業には問われることになるでしょう。

CO2排出量算定においては、「やらなければいけないのか」ではなく「やってどう企業価値を高めていくか」に着目することが重要だと、渡慶次氏。脱炭素社会に順応し自社の企業価値を高めるべく、「zeroboard」や株式会社ゼロボードの取り組みを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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