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「Windows Server 2019」はどのように進化したのか!

レンテックインサイト編集部

「Windows Server 2019」はどのように進化したのか!

 2018年10月、マイクロソフトコーポレーション(Microsoft Corporation/以下「マイクロソフト」)はWindows Serverの最新版「Windows Server 2019」の提供を開始しました。 Windows Server 2019のテーマの一つは、「クラウドとオンプレミスの垣根をなくしたハイブリッドなIT活用」ですが、実際にどのような機能が追加されたのでしょうか。

クラウドとオンプレミスのハイブリッド化

 マイクロソフトは現在、企業のITシステムを自社のパブリッククラウド環境である「Azure(アジュール)」プラットフォームに移行させることを推奨しています。 Azureはマイクロソフトが全世界で管理しているデータセンタで、日本にも専用のデータセンターが設置されており、利用できる環境はすでに整っています。
パブリッククラウドを活用すれば、WindowsやLinuxなどの仮想マシン、アプリケーション、インフラストラクチャをすぐに利用することが可能で、ユーザーがサーバを用意する必要はありません。 企業にとって、ITシステムの管理コスト削減は恒久的な課題です。 こうした課題解決にパブリッククラウドの導入が有効であるとしても、企業にはさまざまな事情があり、基幹システムはオンプレミスの環境で運用せざるを得ないというケースも多いのが現状です。
Windows Server 2019は、このような課題が解決できる新たなソリューションとなるかも知れません。 マイクロソフトはWindows Server 2019の発表にあたり、「Windows Server 2019とMicrosoft Azure、そしてAzure Stackが混在したハイブリッドクラウドを提供することで、 企業が持つさまざまな課題を解決したい」と積極的にアピールしています。
一方、2020年1月14日には「Windows Server 2008」のサポートが終了し、データベース製品の「SQL Server 2008」も、2019年7月9日にサポートを終了することを発表してします。 こういった背景から、日本マイクロソフト株式会社は、これらの環境を最新のOSに移行するよう呼びかけ、 「Windows Server 2019の利用環境の80%を、2020年1月までにハイブリッドクラウドにする」という目標を打ち出しました。

以下では、Windows Server 2019がどのようにAzureとオンプレミスのハイブリッド環境を提供するのか、また、新たに提供される機能などについても触れていきます。

Windows Server 2019の新機能

 Windows Server 2019が推奨するサーバ管理ツール「Windows Admin Center」は、GUI(グラフィカル・ユーザー・インタフェース)による画面操作で、 クラウドとオンプレミス双方のサーバ監視とトラブルシューティングを実行します。
例えばバックアップ設定では、クラウド接続を意識することなく自動的にAzureへのシステムバックアップが行われ、必要に応じて復元も可能です。
また災害などの発生時には、Windows ServerのHyper-Vで稼働している仮想マシンをAzureへフェイルオーバーさせることで、事業継続が実現されます。 さらに、Azureの更新管理サービスを利用することで、社内に管理サーバを立てることなくオンプレミスのOSを最新に保つこともできます。

Windows Server 2019の提供に先立ち、オンプレミスのファイルサーバのボリュームやディレクトリを、Azureと同期させる新サービス「Azure File Sync」の提供が始まりました。 Azure File Syncを利用することで、Windows Server 2019のストレージとAzureのストレージを同期すると同時に、オンプレミス側にはローカルキャッシュを生成します。 これによって、使用頻度の高いファイルや同期容量の変更など、柔軟な設定が可能で、ネットワーク転送の遅延時間が制御できるようになります。
さらに、Windows Server 2019で新たに加わった「システム インサイト」では、サーバにAIによる分析機能も提供しています。 OS内に蓄積されるシステムデータを収集して予測することで、熟練の管理者でなくても、システムのCPUやネットワークのキャパシティ予測、ストレージの消費量の予測ができ、 対策を事前に検討できるようになります。

クラウドコンピューティングの普及とあわせて進化したWindows Server 2019は、 「ITシステムの管理コスト削減」という、企業が持つさまざまな課題と、パブリッククラウド導入の障壁の両面を解決できる、新たなソリューションとなりそうです。

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