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プロジェクトマネジメントの知識体系「PMBOKⓇ」とは? なぜ重要性が高まっている?

レンテックインサイト編集部

IT Insight プロジェクトマネジメントの知識体系「PMBOKⓇ」とは? なぜ重要性が高まっている?

画像素材:Adobe Stock

「プロジェクトマネジメント(PM)」の重要性は、日本でも徐々に浸透してきました。そんな中で注目したいのが、2021年に最新第7版が出版されたプロジェクトマネジメントの知識体系「PMBOKⓇ」です。

本記事では、PMBOKやPMP、第7版の変更点に加え、そもそもプロジェクトマネジメントとは何かという基本についても解説します。

※PMBOKⓇはプロジェクトマネジメント協会(Project Management Institute, Inc.)の登録商標です。

PMBOKⓇは「プロジェクトマネジメントの世界標準」

PMBOKⓇとは、“Project Management Body Of Knowledge:プロジェクトマネジメントの知識体系”の略であり、その名の通りプロジェクトマネジメントに必要な知識がまとめられた世界標準のバイブルのようなものです。

運営しているのは米国の非営利団体PMI(Project Management Institute:プロジェクトマネジメント協会)。1998年には日本支部(PMIJ)も設置され、現在も運営されています。PMBOKⓇは1987年に初めて発表されました。そして1996年のPMBOKⓇガイド初版発行から、約4年に1度のペースで改定され、2022年6月現在は2021年8月に発表された第7版が最新版となっています。

また、PMIはPMBOKⓇに基づいたプロジェクトマネジメントの知識・ノウハウを問う国際資格PMP(Progect Management Professional:プロジェクトマネジメントプロフェッショナル)を認定しており、全国のテストセンターあるいはオンライン監督を用いた自宅・職場でのリモート試験で受検することができます。

ただし、一定の学歴とそれに応じたプロジェクトマネジメント経験が受験資格として設けられており、正式なプロジェクトマネジメントの教育を35時間以上受けたことを示す必要があるなど、受検のハードルはそれなりに高いものです。また、資格取得後も3年ごとの更新手続きが必要とされており、そのためにPDU(Professional Development Unit:プロフェッショナル開発単位)という単位を、トレーニングやミーティングに参加したりコンテンツを作成したりすることで取得することが求められます。

また、プロジェクトマネジメントの能力全般を問うPMPに対し、PMBOKⓇの知識を主に取り扱うCAPM(Certified Associate in Project Management:プロジェクトマネジメント認定アソシエイト)という資格も存在します。

PMBOKⓇ第7版で生じた“大きな変化”とは?

それでは、最新のPMBOKⓇ最新の第7版の内容をご紹介しましょう。
同書の目次は以下の通りです。

序文

PART1 プロジェクトマネジメント標準
1.はじめに
2.価値実現システム
3.プロジェクトマネジメントの原理・原則

PART2 プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKⓇガイド)
1.はじめに
2.プロジェクト・パフォーマンス領域
3.テーラリング
4.モデル、方法、作成物

PART3 参考文献、付属文書、用語集、索引

PART1にてプロジェクトマネジメントの土台となる12の原理・原則についてレクチャーが行われ、PART2では、より具体的に8つのパフォーマンス・ドメインについて解説されるという構成になっています。ここまでが本文でPART3以降が参考文献です。

詳細については同書でご確認いただきたいのですが、第7版の改定で最も特徴的なのはスチュワードシップ、テーラリングなどプロジェクトを通して価値を実現するための原理原則を踏まえた上で、それに最適な手法を選定していくという思想のもと、記述されているということです。

PMBOKⓇ第6版では「プロジェクトマネジメント標準」として、プロジェクトの立ち上げから計画、実行から終結に至るまでの流れが「製品を納品する」というゴールに焦点をおいて記述されていました。しかし、PMBOKⓇ第7版では“プロジェクトによって何を実現すべきか”を見据えてウォーターフォール、アジャイル、スクラムなどこれまで確立されてきたシステム開発方式から最適なものを選ぶ「テーラリング」に焦点が置かれています(各システム開発方式について詳しくはコチラ)。

そもそもプロジェクトマネジメントとは? なぜ重要性が高まっている?

プロジェクトマネジメントの知識体系がPMBOKⓇのように体系化されたのは、そもそも“形のない”ITシステムについていかに最適な要件定義を行い、コスト、人、時間といった資源を管理しながらゴールまでたどり着くかについて試行錯誤を行う必要があったというIT産業の事情があります。

もちろん、形ある製品の開発もプロジェクトの一種であり、かんばん方式のようにものづくりの現場から生まれたプロジェクトマネジメントの手法もあるのですが、このように体系化されるには、プロジェクト管理の長期化や複雑化が影響したことは間違いないでしょう。

ものづくり産業でもIT化・サービス化が進むとともに開発・生産工程は複雑化しており、工程管理・生産管理にプロジェクトマネジメントのノウハウを取り入れる必要性は高まってきています。

その足がかりとしてPMBOKⓇは有効な手段の一つといえるでしょう。

PMBOKⓇは時代に合わせて変化していく

第7版がリリースされ、ますます注目が高まるPMBOKⓇについてご紹介しました。
4年ごとの改定やPMIの形式からも分かる通り、PMBOKⓇの内容は時代に合わせて常に変化するものであり、一度学べばOKというものではありません。これからプロジェクトマネジメントを学び続けていくためのツールとして、上手に利用していきましょう。

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