不確実な変化に対応できる強い企業体質をつくるため、デジタルトランスフォーメーション（以下、DX）の取り組みは加速しています。三井住友建設株式会社さまにおいても、建設現場のペーパーレス化の一環としてレンタルPCとセキュリティソリューションの Shadow Desktop を導入いただきました。レンタルPC活用のメリットについて、安全環境統轄部 陣内 久之 さま、建設DX推進グループ 和田 章宏 さま、 情報セキュリティ管理室 平賀 健 さまにお話を伺いました。

DXの取り組みとしてペーパーレス化を推進

オリックス・レンテック：三井住友建設株式会社さまは、高層マンションや橋梁などの工事を請け負うゼネコン企業として国内外で事業を展開されています。今回、建設現場にレンタルPCと Shadow Desktop を導入していただきました。導入を検討したきっかけについてお聞かせください。

陣内さま：社内全体でDXを推進しており、建設現場でも今まで紙で管理していた業務をペーパーレス化する取り組みを行っています。その一環として、安全に関する調整会議を行うための報告業務をシステム化しました。当初は協力会社担当者（職長）が使っているスマートフォンやタブレット等で入力してもらうことを想定していましたが、ガラケー端末しか持っていない、私物端末を使いたくないなどの理由から職長に入力専用PCの導入を検討することになりました。

オリックス・レンテック：各自が使用している端末ではデジタル化が進まなかったということなのですね。建設作業を行う合間に事務作業を行わなければならないので、PC導入においても大きな課題があると思います。

陣内さま：さまざまな協力会社が参画しており、工事担当者の年代も幅広く、ITリテラシーにばらつきがあります。そのためPCも迷わず使えるということが大切ですし、意図しない設定ができないようにしてトラブルを防ぐ必要があります。

トータルのコストバランスを考慮してオリックス・レンテックのレンタルを採用

オリックス・レンテック：PCの導入にあたり、オリックス・レンテックにお声がけをいただきました。どのような経緯があったかお聞かせください。

陣内さま：PC関連サービスを展開しているいくつかの会社に相談しましたが、建設現場に合わせた設定を行うにはかなりのコストがかかることがわかりました。そこで以前からお付き合いがあったオリックス・レンテックさんに相談しました。

オリックス・レンテック：レンタルというとどうしても「コストが高い」というイメージを持たれがちですが、ご利用期間に応じた最適なコスト設定やキッティングなどトータルで効率化できるのもメリットのひとつです。ご利用される期間はもちろん、アプリケーションやキッティングの内容、代替機の用意についても柔軟に対応できるため、リースよりもメリットが大きいのではないかと考えています。

陣内さま：ペーパーレス化を進めていく上でICT機器は必ず必要になります。例えば建設現場の場合は、会議用スペースが必要になりますし、周知事項を紙で行う代わりにディスプレイに表示したいという要望もあります。手軽に導入・使用できるICT機器を調達するために、レンタルを今後も活用していくと思います。

セキュリティ上での課題が浮上し、 Shadow Desktop を提案

オリックス・レンテック：当初はPCをレンタルで提供するという提案で進んでいましたが、セキュリティの懸念があってご相談いただきましたね。

陣内さま：システムにはさまざまな情報が含まれているため、PCのローカルに保存されたデータや情報が漏洩してしまうという懸念がありました。またシステム自体は社内ネットワークには接続されていませんが、万一PCがマルウエアに感染して、メンテナンスでそのPCを社内ネットワークに接続するようなことがあってはならないと考えました。

オリックス・レンテック：PCはシステムに入力する用途に限定し、データを書き込みできない設定にしてリスクを軽減したいというお話でしたね。そこで当社で検討した結果、「 Shadow Desktop 」をご提案しました。

和田さま： Shadow Desktop はもともとデータをクラウド上において、PCにデータを残さない仕組みですが、データの書き込みを禁止するようカスタマイズするという提案でした。当社のニーズに合っていたのと、 Shadow Desktop の導入に必要なPCのキッティングも含めて対応してもらえたため、メリットが大きかったです。

オリックス・レンテック：導入にあたり、情報システム部門でセキュリティの検証を行ったと伺っています。

平賀さま：今回は社外の方が使用するため、セキュリティについて懸念があり、情報システム部門でセキュリティの検証を行いました。検証の結果、全ての検証項目をクリアしたため、安心して導入のゴーサインを出すことができました。

キッティングが不要でスムーズな導入が実現

オリックス・レンテック：多くの建設現場に導入されたと伺っていますが、効果についてはどのように感じていますか。

和田さま：建設現場で効果的に活用できているかは今後の評価になりますが、キッティングが不要なため、スムーズに導入できています。今回の導入で場所を選ばずに必要事項が入力できるようになったため、業務効率化についても期待しています。

オリックス・レンテック：評価についてはこれからというお話でしたが、導入後にレンタルのメリットについて実感されたことはありますか。

和田さま：必要な期間でセットアップ済みのPCを利用できるのとさまざまな利用環境での故障が多くなる予想をしており、その際はすぐ代替機を送付してもらえるので、運用しやすいです。

オリックス・レンテック：今回のご契約は御社専用の予備機をストックするサービスを付保しています。建設現場の状況にあったご提案ができてよかったと思います。

さらなるデジタル化に向けて

オリックス・レンテック：今後に向けて、レンタルのサービスについてご要望はありますか。

和田さま：今回は建設現場にPCを導入しましたが、基本的には建設現場から直接依頼して個別のニーズに合ったICT機器を用意することになります。担当者は実務に忙殺されているので、今回のようにニーズのヒアリングのための打ち合わせをして、提案をもらって意思決定をするというプロセスが非常に難しくなっています。そのためいくつかの構成パターンを提示してもらい、その中から担当者が選べるようになっているとよいと思いました。

オリックス・レンテック：当社はお客さまのニーズに全方位で応えるために幅広いラインアップを用意しており、営業担当者もリストを見ながら、最適なご提案は何かを考えてご提案するような状況です。こうしたラインアップから御社向けにいくつか構成パターンをご提供すると選びやすいということですね。

和田さま：簡単に選べてすぐに届くのであれば、工事担当者も判断しやすくなります。その上でニーズに合うものがなければ、別途打ち合わせというプロセスをとった方がスピード感をもって進められると思います。
建設現場でもペーパーレス化の取り組みが加速しており、今まで紙で行ってきたプロセスをICT機器で効率化していくニーズの高まりを感じています。今後もレンタルを有効に活用して、工事担当者の声を大切にしながらデジタル化を推進していきたいと思います。