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製造業の営業にも求められるデータ活用の基本、SFAとCRMとは

レンテックインサイト編集部

営業活動にITツールをもっと活用すべきという考えは業界を問わず広がっています。例えば、顧客リストや営業ノウハウなど有効なデータを活用することは、企業の現在、未来に大きな利益をもたらします。
本記事では、特に製造業界の営業において今求められるデータ活用について詳しく取り上げます。工場DXと同じくらい重要な営業活動のDXも進めましょう!

営業のデータ活用の基本 SFAとCRMとは?

製造業の営業は、製品や技術に関する深い知識を持ち、顧客と開発・製造部門の間に立ち両者の意向を調整することが求められるプロフェッショナルです。その分、個人のスキルや知識にばらつきが生じることが多く、成績のばらつきや離職によるダメージの大きさといった問題があることも指摘されてきました。

そこで、営業部門が一枚岩となってチーム力を発揮するためのツールとしてSFA(Sales Force Automation:営業支援システム)に注目が集まっています。SFAはその名の通り営業に特化したツールであり、新規顧客開拓、ヒアリング、仕様策定、見積もり、納品後の関係構築といった業務の各段階をサポートする以下のような機能があります。

  • カレンダー形式で案件の進捗を一括管理
  • 顧客ごとの営業活動の記録・検索
  • 日報の作成・共有
  • チーム全体の売上予測・目標の達成度のチャート化
  • 見積書・請求書の作成・登録

SFAとともに営業活動を促進するITツールとしてよく知られるのがCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理システム)です。営業活動に特化したSFAと異なり、CRMは顧客データの管理および、顧客との関係継続に特化したシステムです。両者には、顧客の属性やステータス、案件の進捗状況などを管理できる点、最近クラウドでの活用が広がっている点など重なる部分があります。しかし、CRMはメール配信や満足度調査、セミナー・イベントフォームの作成などマーケティングやカスタマーサクセスといった領域を主とする機能もメインの役割として取り扱います。CRMはこのように顧客との関係を維持するための活動そのものを指す概念でもあります。

顧客データの管理をCRMで主に取り扱い、SFAで日々の営業活動を管理するという両者を連携した使い方もよくみられます。

コロナ禍で高まったSFA・CRMの重要性

ご存じの通り、新型コロナウイルスの世界的流行は営業のあり方に大きな変化を及ぼしました。ウェブ・非対面の営業・マーケティング活用の比重が高まり、ウェブ展示会やウェブマーケティングに今年、昨年から力を入れ始めたという企業も多いようです。

そんな中で、SFA・CRMの重要性も同様に高まりました。飛び込みやテレアポからの営業は従来に比べて難しくなり、非対面型のコミュニケーションを通じて顧客との関係を構築するインサイドセールスが主となりました。そして、顧客との関係構築に特化したツールがまさにCRMなのです。かねてよりコミュニケーション手法の多様化した現代においてインサイドセールスの重要性は高まるといわれてきましたが、その流れがコロナ禍により一気に加速しました。

もちろんウィズコロナ・アフターコロナの営業に対し、SFAは効果を発揮します。ウェブ上のコミュニケーションでは対面に比べ、担当者の特性や企業の本当のニーズといった情報が得にくくなるというデメリットがあります。そこで、営業情報のハブであるSFAを活用することで、顧客へどうアプローチするかの戦略をチームとしてまとめて管理し、情報共有を進めることでデメリットをカバーするように動くことができるのです。

SFAの導入を成功につなげるには、情報を共有しチームとして営業活動に携わる文化を醸成できているかどうかがカギとなります。現在どのようなツールで情報を共有しているのか、どの程度の頻度で報告を行っているのか、チーム単位の営業が主体か個人の裁量に大きく任されているのかなど、まずは現状分析に取り組むことが必要です。

「Excelで十分では?」という疑問への対処法

これまでExcelを使って営業管理を行ってきたという方も多いのではないでしょうか。Excelには多くのPCに導入されておりコストがかからない、利用したことのある人が多くとっつきやすい、操作性がシンプルで自社に合わせてのカスタマイズが容易などメリットも少なくありません。

SFA・CRM独自のメリットは、そもそもは表計算ツールであるExcelと違い、最初からデータを蓄積し、共有するためのツールとして設計されていることです。そのため、Excelの代替品ではなく“データの共有・活用”という視点を持って導入することが重要です。その点がうまく伝わらなければ、Excelで十分ではないかと現場から疑問視され、定着が滞る原因になるでしょう。

Excelもこれまで通り活用しつつ、そこにないメリットを浸透させられればSFA・CRMは急速に定着していくはずです。

データ活用から始める、営業部門のDX化

本記事では製造業の営業においてITシステムを用いたデータ管理がなぜ必要で、どのように導入されると良いのかについて取り上げました。SFA・CRM以外にも、MAツールや名刺管理ソフトなど、営業関連のITツールは多く普及してきています。
SFA・CRMをはじめとした営業関連のITツールはメリットも多く、導入ハードルも比較的低いと考えられるため、工場DXに先駆けたDXの一手として着手してみてはいかがでしょうか。

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