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RPAの基礎知識と最新動向

レンテックインサイト編集部

RPAの市場規模は年々拡大しており、導入する企業が増加しています。これまで膨大な人手を必要としていた事務作業を自動化できた事例が数多く報告されており、企業の生産性向上や働き方改革に役立つことは間違いありません。

本記事では、RPAの導入を検討する上での基礎知識として、RPAの概要や実現できること、最新動向をご紹介します。

RPAとは?どのようなロボットなのか

RPAは「Robotic Process Automation」の略で、パソコンでのデスクワークを自動化するロボットを指します。ロボットと言っても、コミュニケーションロボットや産業ロボットのような実体があるロボットではありません。RPAはソフトウエアのロボットであり、サーバーやパソコンにインストールして使用します。

RPAは2015年頃に欧米で注目され始め、その後日本にも広まりました。それ以来RPAの市場規模は拡大を続けており、毎年20〜30%以上の成長率を維持しています。その背景にあるのは、進行する人手不足への対応や生産性向上への取り組みが活発化していることです。

ロボットにできることはロボットに任せていくことで、人は人にしかできない創造的な分野に注力できるようになります。RPAは「デジタルワーカー」や「デジタルレイバー」と呼ばれることもあり、人の代わりになる労働力として期待されているのです。

2021年現在では、大手ITベンダーを中心に高機能なRPAが提供されています。RPAの導入は従来であれば大企業が中心でしたが、徐々に中小企業にも広がってきました。コロナ禍でデジタル化が進んだことも後押しになって、導入する企業はさらに増えていくと予想できます。

RPAでどのようなことが実現できるのか

RPAはパソコンでのデスクワークを自動化するロボットです。しかし、どのような業務であっても自動化できる万能なツールではなく、自動化できる業務には制限があります。

RPAが得意としている業務の特徴は次の通りです。

  • 作業手順やルールが決まっている定型業務
  • 単純な動作を大量に繰り返す業務
  • 正確さが求められる業務
  • 膨大な量のデータを扱う業務
  • パソコンやサーバーの操作で完結する業務

反対に、RPAが苦手としている業務の特徴も見てみましょう。

  • 作業手順やルールが決まっていない非定型業務
  • データの分析・判断を行う業務
  • 複雑な作業手順やイレギュラーが発生する業務
  • ごくまれにしか行わず、手間もかからない業務

RPAで業務を自動化するためには、作業の内容と手順を人が事前にインプットしておく必要があります。例えば、画面上のどこをクリックするか、どのタイミングでキーボードを操作するか、といった作業手順を細かく指定しておかなければRPAは動いてくれません。そういったRPAの仕組み上、RPAで自動化できるのは単純作業や定型業務のみに限られています。

RPAとAIを混同してしまっている人が多いですが、両者は厳密には異なります。RPA自体はAIのように思考や判断ができないので、いわば人の手の代わりになるものです。AIは過去の経験や蓄積されたデータを基にして思考や判断ができるので、人の脳の代わりにもなり得ます。RPAはAIとは違うものなので、自分で考えて動くというよりは、決められた業務を確実にこなしてくれるツールだと考えておくとよいでしょう。

RPAの運用で注意すべきことは、設計者や担当者の異動・退職による作業内容と手順のブラックボックス化です。マニュアル化や可視化、情報共有の仕組みを整備するなどして、管理者がいない「野良ロボット」の発生を防ぐ工夫が求められます。仕組みの整備はRPAの導入初期から取り組まなければ意味がないので、覚えておきましょう。

RPAの最新動向

上述した通り、RPAの市場規模は年々拡大しています。その需要の高さに応えようと、RPAを提供するITベンダー各社は開発に力を入れている状況です。

RPAによる自動化は次の三つのクラスに分かれており、現状はクラス1が中心ですが、クラス2に近づいたRPAが登場しつつあります。

クラス1:RPA(Robotic Process Automation)

定型業務の自動化を実現する

クラス2:EPA(Enhanced Process Automation)

AIを搭載して、一部の非定型業務の自動化を実現する

クラス3:CA(Cognitive Automation)

高度なAIを搭載して、自律的な意思決定まで実現する

現状のクラス1であっても、大幅な生産性向上が実現できています。RPAで自動化できる範囲が広がれば、さらに多くの企業が導入することになるでしょう。

また、従来のRPAは自社で保有するサーバーやパソコンにインストールして使用するオンプレミス型が中心でしたが、最近ではクラウド型のRPAも登場しています。クラウド型RPAのメリットは、初期投資が抑えられることや特定の端末に縛られずにRPAを活用できることです。クラウド自体が世の中のトレンドで普及していることもあり、クラウド型RPAを選択する企業も増えるでしょう。

RPAの動向としては、導入する企業の業界が幅広くなっていることも挙げられます。RPAが普及した当初は、金融業界やIT業界など限られた業界の大企業による導入が中心でした。しかし、2021年現在ではあらゆる業界で企業規模を問わずに導入が進んでいます。

例えば、製造業では現場作業が多いためRPAの導入メリットは少ないと考えられていましたが、スマートファクトリーによるデジタル化が進んだことで、RPAを導入する事例が増えています。受発注や営業のようなバックオフィス業務だけでなく、生産管理や在庫管理といった現場に近い領域でもRPAが活躍しており、企業全体の生産性向上に貢献しています。

RPAの有効活用で製造業の生産性は高まる

RPAを導入すればパソコンでの単純作業や定型業務を自動化でき、人はより創造的な分野に注力できるようになります。製造業でも今後は膨大なデータを扱うことになることが予想できるため、RPAで業務を自動化できれば大きなメリットになるでしょう。

RPAの中には、導入サポートが充実していて、無料でトライアルができるものが多くあります。まだRPAを導入していないのであれば、自社への導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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