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製造業が取り入れたいリバースエンジニアリング手法

レンテックインサイト編集部

IT Insight 製造業が取り入れたいリバースエンジニアリング手法

製造業では、リバースエンジニアリングが再注目されています。製品開発の手法としては以前から存在していましたが、関連技術の発達に伴って実現しやすくなったことが再注目されている要因の一つです。CADデータの重要性が高まっている昨今の製造業では、積極的に活用していきたい手法だといえるでしょう。

この記事では、製造業がリバースエンジニアリングを取り入れることのメリットや具体的な方法について解説します。

リバースエンジニアリングとは?

リバースエンジニアリングとは、既存の製品を分解したり、動作を確認したりすることで製品の構造を分析し、技術情報を得る開発手法です。既存の製品を分析することで製造方法や部品点数、動作原理などが分かりますが、それらの情報を元にして製品を設計することが主な目的になります。実態のあるモノだけでなく、ソフトウェアなどのソースコードを解析することもリバースエンジニアリングの一種です。

製造業にとって、リバースエンジニアリングは新しい概念ではありません。他社の製品を分析して自社の製品開発に生かすといったように、昔から行われてきた手法です。他社の製品を分解すると聞くと、違法ではないかと気になる方もいるかもしれません。しかし、リバースエンジニアリングは多くの企業がより良い製品を生み出すために行っていることであり、法律上でも合法です。ただし、リバースエンジニアリングをして得た他社製品の情報をそのままコピーして自社製品をつくった場合、違法になる可能性があることは覚えておきましょう。

リバースエンジニアリングを取り入れるメリット

製造業がリバースエンジニアを取り入れるメリットとして4つのことを紹介します。

この数十年で製品のライフサイクルは急速に短くなっており、製品開発にかける時間と手間を極力少なくしてスピーディに新製品をリリースすることが求められています。その影響もあり、リバースエンジニアリングが製造業の製品開発に多くのメリットをもたらす手法として注目を集めています。

開発期間を短縮

リバースエンジニアリングを取り入れることで開発期間を短縮できます。新製品を開発するための研究開発には、膨大な時間が必要です。自社で一から研究開発をすると新製品をリリースするまでに何年、何十年という期間がかかりますが、既存の技術からヒントを得たり、複数の技術をかけ合わせることでより良い新製品を短期間で開発できます。

開発コストを削減

リバースエンジニアリングを取り入れて既存の技術を応用すれば、開発コストを抑えることができます。新製品を開発する際は、試作品を作って実験や解析を繰り返し、改善を重ねていくのが一般的な流れですが、リバースエンジニアリングではその過程で発生する膨大な開発コストを削減できます。

技術ノウハウの有効活用

たとえば、古い製品で当時の担当者がいなくなっている、図面やCADデータが残っていない、製造元の企業が倒産してしまった、といったことが製造業ではよく起こりますが、そのような場合でも、リバースエンジニアリングで現物から設計データをつくれば過去の技術ノウハウを掘り起こして有効活用できます。このように、リバースエンジニアリングは自社製品に対しても役に立ちます。

既存製品の課題を改善できる

販売中の製品で不具合が発生した場合、原因の究明と対策が必要になりますが、リバースエンジニアリングの手法で現物の実態を分析し、設計データとの差異などを確認すれば、製品の持つ課題を発見できます。見つかった課題を踏まえて新製品の開発に取り組めば、より良い製品を開発できるでしょう。

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リバースエンジニアリングを実現する方法

リバースエンジニアリングの基本は、既存の製品を分解して部品単位で分析することです。分析の内容としては、成分分析や寸法測定があります。

成分分析に関しては、使われている材料が事前に分かっていれば行う必要はありません。しかし、何で作られているのかが分からない場合には専用の分析装置にかけて材料を調べる必要があります。

もう一つの寸法測定については、接触式の三次元測定機や3Dスキャナで行うのが一般的です。しかし、これらの検査方法だと人がセンサや探針プローブを持って計測対象物に当てながら寸法を測る必要があり、非常に時間がかかります。また、寸法測定した結果を図面やCADデータに変換する手間も発生するので、リバースエンジニアリングをする上での課題となっていました。

近年では3Dスキャナの技術が進化しており、非接触で高精度な寸法測定ができるようになってきました。機種によっては、分解せずに寸法測定を行ってそのまま3DCADデータ化できるものも登場しており、リバースエンジニアリングをする上での課題が解消されつつあります。

解析や3Dプリンタでの試作など、3DCADデータの需要は年々高まっています。そのため、現物から3DCADデータ化できる3Dスキャナを使ったリバースエンジニアリングを取り入れる企業が増えることが予想されています。

製品開発力の強化のためにリバースエンジニアリングを取り入れましょう

リバースエンジニアリングの概念自体は昔からあったものですが、3Dスキャナなどの関連技術の発達によって大幅な進化を遂げています。

開発期間やコストの圧縮に貢献し、技術ノウハウを有効に活用できるリバースエンジニアリングは製造業にとって重要な製品開発手法になっていくでしょう。

自社の製品開発力を強化するためにも、積極的にリバースエンジニアリングを取り入れていただきたいです。

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